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鹿の種類について知ろう!鹿の角・鹿革アイテムを楽しむための豆知識

鹿は、私たち人間と古くから深い関わりを持ってきた動物です。

古代から神聖な存在として扱われ、神話や伝承にもたびたび登場してきました。

さらに鹿の角や革は、実用品や工芸品の素材としても重宝され、現在でもファッションやインテリアアイテムの一部として人気を集めています。

そんな鹿ですが、実はたくさんの種類が存在するのをご存じでしょうか?

日本国内だけでもいくつかの種類が確認されており、世界に目を向ければ、その数と多様性はさらに広がります。

また、鹿にまつわる豆知識として「鹿の角は毎年生え変わる」という事実もあります。この仕組みを知れば、鹿という動物の生命力や自然の営みへの理解が一層深まることでしょう。

この記事では、鹿の特徴や生態、日本と世界の代表的な鹿の種類を紹介。また、鹿の角や鹿革アイテムにまつわる知識まで、幅広く解説します。

鹿についての知識を深めることで、鹿をふと見かけたときや、鹿のアイテムに触れた瞬間に、自然への親しみを感じられるようになるかもしれません。

ぜひ最後までお読みください。

鹿の特徴と生態

鹿は草食性の哺乳類で、世界中の森や草原に広く分布。シカ科は世界に約19属50種以上が存在するといわれています。

一般的には、すらりとした体型と長い脚、そして雄に生える立派な角(アントラー)が特徴です。

種類によって細かな違いはありますが、どの鹿も自然環境に適応し、独自の進化を遂げています。

鹿の体の特徴

鹿は、逃げ足の速さと高い跳躍力を持っています。これは、天敵から身を守るために発達した能力です。

蹄(ひづめ)を持つ細い脚は、走るのに適した構造をしており、地面をしっかり捉えながら素早く移動できます。また、鋭い聴覚と広い視野を持つ目も、周囲の危険を素早く察知するために重要な役割を果たしています。

毛色は季節によって変化する種類もあり、周囲の環境に溶け込みやすく、外敵から身を守るカモフラージュ効果が高いです。

鹿の生活・行動

鹿は基本的に群れで行動します。

特に雌と子どもはまとまって生活することが多いです。一方で、雄は生後1〜2年を過ぎると、繁殖期を除いて単独行動をとることが増えます。

一般的には草食で、草や木の葉、樹皮、果実など、季節によって食べるものを柔軟に変えながら生活しています。

また、繁殖期(秋ごろ)になると、雄は角を使って他の雄と戦い、優れた個体が繁殖の機会を得ます。

日本に生息する鹿の種類

日本には、自然豊かな環境に適応した「ニホンジカ」(学名:Cervus nippon)が生息しています。ニホンジカは日本に住む野生の鹿の総称です。

実は、日本列島だけでなく、中国や韓国などアジアにも分布していますが、人為的に移入された可能性があると考えられています。

ニホンジカには7種類の亜種が存在。これらは生息地域が異なり、それぞれ少しずつ違った特徴を持っています。

ここでは、ニホンジカの種類(亜種)について紹介します。

ホンシュウジカ

ホンシュウジカ(学名:Cervus nippon centralis)は、本州に広く分布しているニホンジカの亜種です。地域によって体格や毛色に違いがあり、特に北部では大型、南部ではやや小型になる傾向があります。

山間部から平野部まで幅広い環境に適応して生息しており、日本国内でもっとも個体数の多い亜種です。

エゾシカ

エゾシカ(学名:Cervus nippon yesoensis)は、北海道に生息するニホンジカの亜種です。

ニホンジカの中でも特に大型で、寒冷な環境に対応するためにたくましい体格を持っています。

エゾシカは草だけでなく低木の葉や樹皮も食べるなど、冬の食料が少ない時期にも適応できる能力を備えています。

北海道ではエゾシカによる農業被害が問題になることもありますが、近年ではエゾシカ肉(ジビエ)としての活用も進められています。

ヤクシカ

ヤクシカ(学名:Cervus nippon yakushimae)は、鹿児島県の屋久島に生息するニホンジカの亜種です。体の大きさはニホンジカの中でも特に小柄で、森林の中をすばやく移動できるように進化しています。

温暖で湿潤な屋久島の環境に適応しており、食性は植物の葉や果実が中心です。

屋久島の自然とともに独自の生態を築いているため、国の天然記念物にも指定されています。

ツシマジカ

ツシマジカ(学名:Cervus nippon tsushimae)は、長崎県の対馬に生息する亜種です。ニホンジカの中では小型で、対馬の山地に適応した生活を送っています。

島内全域に分布しており、人口より多いといわれているツシマジカ。絶滅危惧種であるツシマヤマネコやツシマウラボシシジミの生息環境劣化の要因としてツシマジカの増加が挙げられており、共生を目指した取り組みが行われています。

キュウシュウジカ

キュウシュウジカ(学名:Cervus nippon kyushuensis)は、四国地方から九州地方にかけて生息しているニホンジカの亜種。ホンシュウジカと比べると、やや小柄なのが特徴です。

夏になると毛が茶褐色+白い斑点模様に、冬になると灰褐色になります。

マゲシカ

マゲシカ(学名:Cervus nippon mageshimae)は、鹿児島県の馬毛島に生息するニホンジカの亜種です。キュウシュウジカやヤクシカとは異なる独自の遺伝的特徴を持っており、島内の限られた環境に適応して独自の生態系を築いています。

角は4尖ある個体が多く、毛色は背中や目の周りを中心に黒いのが特徴です。

ケラマジカ

ケラマジカ(学名:Cervus nippon keramae)は、沖縄県の慶良間諸島(阿嘉島・外地島・慶留間島・屋嘉比島)に生息している亜種で、日本で唯一の亜熱帯性の有蹄動物です。

慶良間諸島の島々を泳いで行き来する「島渡り」をおこなっているのも特徴のひとつ。日本に生息する7種のニホンジカ亜種の中ではもっとも小柄です。

有名な世界の鹿の種類

鹿は日本だけでなく、世界各地にさまざまな種類が存在します。

地域の気候や環境に適応し、独自の進化を遂げた鹿たちは、それぞれに個性的な特徴を持っています。

ここでは、特に有名な世界の鹿の種類を紹介します。

アカシカ(レッドディア)

アカシカ(学名:Cervus elaphus)、英語名でレッドディアは、ヨーロッパやアジア、北アフリカに広く分布する大型の鹿です。

体長は約2メートルにも達し、力強い体つきと大きな角が特徴です。

特にヨーロッパでは、アカシカは貴族の狩猟文化と深く関わりを持ってきました。

現在でもイギリスやドイツなどで保護対象となり、森の象徴的な存在として親しまれています。

トナカイ(カリブー)

トナカイ(学名:Rangifer tarandus)は、カリブーとも呼ばれ、北極圏近くのツンドラ地を中心に寒冷地に生息する鹿の仲間です。

トナカイの大きな特徴として、オスだけでなくメスにも角が生えるということが挙げられます。

極寒の環境でも活動できる厚い毛皮と、雪上を効率よく歩ける広い蹄を持つ、寒さに特化した鹿です。

ホエジカ

ホエジカ(学名:Elaphodus cephalophus)は、中国南部からミャンマー北部にかけて生息する小型の鹿です。

日本のニホンジカに近い仲間で、特に中国や台湾では、ホエジカの角(鹿茸:ろくじょう)が漢方薬として珍重されています。

ホエジカは声が大きく、繁殖期には遠くまで響く鳴き声をあげるため、「吠える鹿」という名前が付けられました。

鹿の角が落ちるって本当?

鹿の角は一生ものではなく、毎年自然に抜け落ちて新しく生え変わります。

この仕組みは、鹿の成長や繁殖に深く関わっているのです。

角は骨と同じ成分でできており、繁殖期が終わるとホルモンバランスの変化によって根元が弱まり、冬から春にかけて自然に落ちます。その後、春から夏にかけて「袋角(ふくろづの)」と呼ばれる柔らかい新しい角が伸び始め、成長とともに硬くなっていきます。

角が毎年生え変わる理由は、より大きく立派な角を持つことで繁殖に有利になるためです。

立派な角は健康や強さの証となり、群れの中でより多くのメスを引きつけるチャンスにつながります。

アイテムによく使用される鹿の種類

鹿は、古くから革(ディアスキン)や角が、さまざまなアイテムに利用されてきました。特に、鹿革は柔らかくしなやかでありながら、耐久性にも優れているため、衣類や小物、伝統工芸品に重宝されています。

日本国内では「ニホンジカ」の革が古くからよく使用されています。

特に奈良などの地域では、古くから鹿革を使った工芸品作りが盛んで、鎧や武具、書道用の革にも利用されてきました。

ニホンジカの革はきめが細かく、加工しやすいという特徴があり、現代では手袋や財布、靴など高級革製品にも広く使われています。

なかでも、北海道の「エゾシカ」が注目されています。

エゾシカ革はニホンジカの中でも厚みがあり、しっかりとした質感が特徴です。

エゾシカ革を使った製品は、耐久性が高く、アウトドア用品やバッグなどタフな用途にも適しています。

近年では、エゾシカ革を活用した製品開発が進み、ジビエ(野生動物の食肉利用)とあわせて、資源の有効活用が注目されているのです。

また、海外では「ホワイトテールディア(アメリカシカ)」の革も高く評価されています。

アメリカを中心に生息するこの鹿は、皮が柔らかく通気性に優れており、特にアウトドア用の手袋や靴、ジャケットに適しています。

ホワイトテールディアの革は、使い込むほどに手になじみ、味わいが出ることから、長く愛用するアイテムに最適です。

まとめ

鹿は、古くから人々の生活や文化と深く結びついてきた動物です。

種類も豊富で、日本国内だけでも地域ごとに個性豊かな亜種が存在し、世界に目を向ければさらに多くの鹿たちが暮らしています。

この記事を通じて鹿にまつわる知識や自然への理解が深まりましたか?

鹿由来のアイテムを手に取るときには、ぜひその向こう側にいる「鹿」の背景にも想いを馳せてみましょう。

DEER HORN SMITH’Sでは、北海道の自然を生き抜いてきたエゾシカの角を使ったシャンデリアや革小物を取り扱っています。

ぜひお気に入りのアイテムを見つけてみてくださいね。

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