

レザーの汚れの落とし方とは?汚れの種類やケア用品の選び方を解説
お気に入りのレザーアイテムにふと目をやった際、汚れやくすみが出てきたことに気づくことはありませんか?
レザー製品は上質で長く使える反面、日々の使い方やお手入れ次第で、見た目や寿命に大きな差が生まれます。正しい汚れの落とし方やケア方法を知らずに自己流で対処してしまうと、かえって革を傷めてしまうことも。
そこでこの記事では、レザー製品を美しく保つために欠かせない、汚れの落とし方について解説します。
革製品を初めて手に取った方でも安心して実践できる内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
レザー製品の特徴
財布やバッグ、アパレルなど、さまざまなアイテムに使われているレザー。高級感のある見た目だけでなく、手にしたときの質感や、使い込むほどに味わいが増す経年変化(エイジング)もレザーならではの特徴です。
ここでは、レザー製品の主な魅力について紹介します。
高級感と上質な質感
高級感と独特の手ざわりはレザーの魅力のひとつ。
なめらかで柔らかな質感は、持つ人の印象をワンランク上げてくれます。
また、天然素材ならではの風合いや光沢は、合成皮革では出せない奥行きがあり、ファッションアイテムとしても人気が高い理由となっています。
経年変化を楽しめる素材
レザー製品は、使い込むほどに表情を変えていきます。
日常的に使っていると、革の色味が深くなったり、ツヤが増してくるなど、いわゆる「エイジング」が楽しめます。
これは天然素材特有の性質であり、自分だけの風合いに育てていけることも、多くの人に愛される理由です。
レザーの経年変化について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
耐久性に優れており、長く使える
レザー製品はしっかりとしたお手入れをすれば、何年、場合によっては何十年と使い続けることができます。
傷や汚れには注意が必要ですが、その分、定期的にケアすることで一生もののアイテムとして愛用することが可能です。
そのため、安価な素材では得られない「長く付き合える相棒」として、多くの人に選ばれています。
レザー製品の汚れ落としはなぜ重要なの?
レザー製品にとって「汚れ落とし」は、美しい見た目を保つだけでなく、素材そのものを守るうえで非常に重要です。
革は、一度汚れが染み込んでしまうと完全に落とすのが難しくなります。
特に天然皮革は吸湿性があるため、皮脂や汗、水分、油分などが入り込みやすく、放置することで変色・カビ・ニオイの原因になります。
また、汚れは目に見えるものだけとは限りません。
表面に付着した見えにくい汚れでも、時間が経てば革の質感や色つやに影響を与えます。
たとえば、手あかが繰り返し付着することで黒ずみが定着したり、雨ジミが乾燥とともにシミとして残ったりするケースがよく見られます。
これらの汚れは、表面をただ拭くだけでは落ちにくく、適切な処置が必要です。
さらに、汚れを落とさずに放置していると、クリーナーや保護剤などのケア用品の効果も十分に発揮されません。
表面に汚れが残っている状態では、必要な保湿や保護成分が革に浸透しにくく、その結果、乾燥やひび割れといった劣化を早めてしまいます。
大切なレザー製品を長くきれいに保つためには、汚れを見つけたらすぐに対応することが基本です。
見た目だけではなく、革の状態そのものを守るためにも、正しい知識と方法で汚れをきちんと落とすことが重要といえるでしょう。
レザーでよくみられる汚れの種類と落とし方

レザー製品を使っていると、さまざまな汚れが知らないうちに付着していることがあります。
これらの汚れは日常生活の中で自然と発生することが多く、原因によって対処法も異なります。
ここでは、レザーでよく見られる代表的な汚れと落とし方について解説しますので、参考にしてください。
皮脂や手あかによる黒ずみ
レザーの汚れとしてもっとも多いのが、手や肌が触れる部分にできる黒ずみです。
人の皮脂や汗、ハンドクリームなどの油分が少しずつ革に染み込み、時間が経つと黒ずみとして定着してしまいます。
ハンドルや財布のふちなど、よく触れる場所ほど汚れやすく、放置すると落としづらくなるのが特徴です。
皮脂や手あかによる黒ずみは、まず柔らかい乾いた布で優しく拭き取り、それでも落ちない場合は中性タイプのレザー専用クリーナーを使って処理します。
強くこすらず、布にクリーナーを少量取り、円を描くようにやさしく拭き取るのがポイントです。
水濡れや雨ジミ
レザーは水に弱い素材のため、雨や飲み物の水滴などが付着すると水ジミが残ることがあります。
特に革の表面に防水加工がされていない場合、水分が染み込みやすく、乾いたあとに輪ジミとして浮き出てしまうことも。シミが広がらないよう、濡れた直後の対応が重要です。
乾いたタオルなどで水分を吸い取り、風通しの良い日陰で自然乾燥させます。
ドライヤーや直射日光は革を縮ませたり、硬くしたりする原因になるため、できる限り使わないようにしましょう。
乾燥後は、表面に白っぽい跡が残ることがありますが、その場合はクリーナーを使って整えるか、やさしく全体を湿らせてなじませます。
食べこぼしや油汚れ
食事中のうっかりした油はねや、ファストフードの包装紙に触れた手でレザーに触るなどして起きる油染みもよくある汚れのひとつです。
油は革に深く浸透しやすく、一度染み込むと元の色味に戻すのが難しくなります。
特に淡い色のレザーでは目立ちやすく注意が必要です。
油染みや食べこぼしなどが付いたときは、乾いた布で押さえるようにして油分を吸い取りましょう。こすってしまうと革に染み込みやすくなるため気を付けてください。
シミが広がってしまった場合は、市販のレザー専用クリーナーを使用します。その際は、目立たない部分で試してから全体に使うようにしましょう。
インクや色移り
ペン先のインクがバッグの内側に漏れてしまったり、新聞・チラシの印刷インクが表面に付着したりするケースもあります。
また、濃い色の衣類やバッグから色移りしてしまうことも。これらの汚れは革の表面に残りやすく、クリーナーでも完全に落としきれないことがあります。
インク汚れや色移りは、家庭で完全に落とすのが難しいケースが多く見られます。
無理にこすったりアルコールを使ったりすると革の色落ちや変質の原因になるため、市販のインクリムーバーなどを慎重に使うか、可能であれば専門業者に相談すると安心です。
カビやホコリ汚れ
保管環境によっては、レザーにカビやホコリが付着することもあります。
特に湿気の多い場所や通気性の悪い場所で長期間保管すると、白や黒のカビが浮き出ることがあります。
これは見た目だけでなく、革そのものを劣化させる原因にもなりかねません。
カビやホコリの汚れは、まず乾いた柔らかい布やレザー用ブラシで表面を軽く払うようにして除去します。
その後、アルコール成分の少ない革専用の除菌クリーナーを使い、目立たない箇所で試してから、全体をやさしく拭き取りましょう。
レザーケア用品の選び方

レザーの汚れを正しく落とすには、革に適した専用の道具を使うことが重要です。
誤ったアイテムを使うと、汚れが落ちにくいだけでなく、革を傷めてしまう可能性もあります。
ここでは、基本となるケア用品と選び方のポイントを紹介します。
レザー専用クリーナー
皮脂や黒ずみなどの汚れには、レザー専用のクリーナーを使用します。
液体やムース、クリームタイプがあり、初めての方は中性タイプを選ぶと安心です。使用前に、革の種類に対応しているかを必ず確認しましょう。
柔らかい布やクロス
汚れを拭き取る際は、マイクロファイバークロスや綿のやわらかい布を使います。
タオルやキッチンペーパーのような繊維が荒い素材は、革を傷つける原因になるため避けましょう。
レザー用ブラシ
縫い目や凹凸のある部分の汚れには、専用のブラシが便利です。
軽いホコリ落としにも使えますが、力を入れず優しく扱うようにすると、レザーへのダメージを抑えることができます。
除菌クリーナー・インクリムーバー
カビやインクなどの頑固な汚れには、専用のケア用品が市販されています。
ただし成分が強いものもあるため、目立たない場所で試してから使うようにしましょう。
保湿クリームやコンディショナー
汚れを落とした後の革は乾燥しやすくなります。
必要に応じて、保湿アイテムで潤いを補うことで、ひび割れや劣化の予防に役立ちます。
レザー用オイル
汚れを落としたあとにレザー用のオイルを使用するのもおすすめです。
レザー用のオイルは、革の種類によって適しているものが異なりますので、注意しましょう。
DEERHORNSMITH’Sで多く取り扱っている鹿革の場合は、植物性のオイルが最適です。
特に、少し防水効果のあるコロニルの「ウォーターストップカラーズ」を推奨しています。
まとめ
レザー製品は、正しいお手入れをすれば長く美しく使える素材です。
しかし、汚れを放置するとシミやカビ、劣化の原因となり、取り返しがつかなくなることもあります。
今回紹介したように、汚れの種類に応じた適切な落とし方を知っておくことで、大切なアイテムを汚れから守ることができます。
ポイントは、「すぐに対応すること」と「革専用のケア用品を使うこと」。
自己流の対処や誤った道具選びは、かえって革を傷める原因になりかねません。
また、頑固な汚れや色移りなどは、無理に落とそうとせず、専門業者への相談も検討するようにしましょう。
「お気に入りのレザー製品を長く愛用したい」「質の高い革小物を手に入れて、正しくケアしながら育てたい」という方は、当社が取り扱う鹿革アイテムもぜひご覧ください。
柔らかさと耐久性を兼ね備えた上質なレザーを使い、長く楽しめる逸品を取り揃えています。