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レザーのひっかき傷はこう直す!原因や防止法、日常のケアを徹底解説

大切に使っているお気に入りのレザー製品。

そんなアイテムをふと見たときに、小さなひっかき傷がついていたという経験はありませんか?

財布やバッグ、ソファなど、毎日の生活で触れる機会が多いレザーは、ちょっとした原因で傷ついてしまうことも多いですよね。

しかし、レザーのひっかき傷はある程度は目立たなくすることができるだけでなく、日頃のケアや素材選びによって傷を防ぐことも可能です。

さらに革の種類によっては、もともと傷が目立ちにくいものもあります。

この記事では、レザーにひっかき傷がつく原因や傷がつきやすい革の特徴、家庭でできるお手入れ方法や防止のポイントをわかりやすく解説します。

レザー製品を長く愛用したい方は、ぜひ参考にしてください。

レザーにひっかき傷がつく原因

日常で使うレザーの表面は、細かな繊維が密に重なってできた薄い膜のような層になっています。この層に点で力がかかったり、ザラついたものとこすれたり、乾燥して柔らかさが失われたりすると、白っぽい筋や浅い削れとして「ひっかき傷」が現れるのです。

ここでは、毎日の生活で起こりやすい代表的な原因を3つ解説します。

硬いものとの接触

もっとも多いのが、硬くて角のあるものがレザーに当たるケースです。

具体的には、以下のようなものが挙げられます。

  • 指の爪
  • 指輪
  • ブレスレット
  • バッグの金具やファスナー
  • 机やイスの角
  • スマホケースの角

これらは、触れた点に力が集中しやすく、表面を一瞬で押しつぶしたり薄く削ったりしてしまいます。

線状にスッと入った白い跡や、擦った方向に沿った細い筋が残るのが、この原因で起こる傷の典型です。

バッグの出し入れやソファでの体勢の入れ替え、靴ひもやバックルの着脱など、何気ない動作の中でも起きやすいのも特徴といえます。

乾燥と油分不足

レザーは適度な水分と油分があることでしなやかさを保ち、外から力が加わっても復元しやすくなっています。

ところが、直射日光やエアコンの風、暖房、乾燥した保管環境などが続くと油分が抜け、表面が硬くパサついた状態に。クッション性が下がるため、同じ力でも傷が残りやすくなり、こすれた部分が白っぽく見えたり、うっすら毛羽立ったように感じたりします。

また、新品でも仕上げ方や保管環境によっては油分が少なく、使い始めに細かなスレが増えやすい場合もあります。

微細な粒子のヤスリ効果

砂やホコリ、金属粉のような微細な粒子による擦れも、ひっかき傷の原因になります。

特にポケットやバッグの底にたまった砂、ソファや車内のホコリ、靴のアッパーに付着した細かいチリは、レザーの上で動くと目に見えにくい無数の細かいスリ傷を作ってしまうのです。

さらに付着した汚れを落とそうと、乾いた布で強くゴシゴシ拭くと、付着した粒子を押し当てることになり、広い面に薄い傷を増やしてしまうこともあります。

その結果、「いつの間にかくすんで見える」「全体に細かな筋が増えた」と感じる状態につながります。

レザーのひっかき傷を直す方法

レザーについたひっかき傷は、自分でケアできるものと、専門店で修理を依頼したほうが良いものに分かれます。

浅い表面のスレであれば、自宅での簡単なお手入れで目立ちにくくすることが可能です。ただし、深く削れた傷や色落ちを伴う傷は無理に触らず、プロに相談するのが安心でしょう。

ここでは、軽度なひっかき傷ができた際に自宅でできる基本的な対処法を紹介します。

やわらかい布で乾拭きして整える

表面に軽く入った白っぽいスジ程度なら、柔らかい布で優しく乾拭きするだけで目立たなくなることがあります。

これは、摩擦によって革の繊維が整い、元の色が戻る場合があるためです。

強くこすると逆に表面を痛めるので、軽くなでるように行うようにしましょう。

レザー専用クリームやオイルで保湿する

レザーは乾燥していると傷が残りやすいです。そのため、クリームやオイルで油分を補うと、浅い傷が目立ちにくくなります。

布にクリームやオイルを少量とり、傷の部分を中心に全体へ薄く伸ばすように塗り込みましょう。

革に潤いが戻ることで白っぽい筋が和らぎ、全体のツヤも出てきます。

指先で軽くなじませる

小さな表面のスレは、清潔な指の腹で優しくなじませるだけで目立たなくなる場合があります。

人の皮脂が革に浸透して繊維が整うためで、特に乾拭きでは戻りにくい浅いスジに有効です。

ただし、やりすぎず、軽くこする程度にとどめましょう。

補色クリームでカバーする

傷の部分で色が薄くなっている場合は、製品の色に近い補色クリームを少量使うと自然にカバーできます。

その際、周囲となじむように薄く塗り重ねるようにしましょう。

市販品の色が合わない場合は逆に目立つため、無理に使わず、必要に応じて専門店に依頼すると安心です。

レザーのひっかき傷を防ぐためには

レザー製品を長く愛用するためには、傷がついた後の対処だけでなく、傷をできるだけ防ぐ工夫が大切です。

日常生活の中でちょっとした習慣を意識するだけで、ひっかき傷のリスクを大きく減らすことができます。

ここでは、ひっかき傷を防ぐためのポイントを紹介します。

定期的にクリームやオイルで保湿する

革は乾燥すると繊維が硬くなり、少しの刺激でも傷が残りやすくなります。

レザー専用のクリームやオイルを使って、月1回程度を目安にお手入れをしましょう。

こうすることで、表面に潤いと柔らかさが戻り、外部からの衝撃を和らげることができます。

直射日光やエアコンの風を避ける

日光や空調の風に長時間さらされると、革の油分が失われて乾燥が進みます。

ソファやバッグを置く場所は日陰を選び、収納時は直射日光を避けた通気性の良い場所に保管すると安心です。

保管時は袋やケースを使う

バッグや靴、財布などを保管する際は、不織布の袋や専用ケースに入れるようにしましょう。

他のアイテムとの摩擦や金具との接触を防ぐと、思わぬひっかき傷を避けられます。

ペットや子どもの爪に注意する

犬や猫などのペット、小さなお子さまがいる環境では、爪やおもちゃによるひっかきが起きやすくなります。

革製品は届かない場所に置くか、使用する素材自体を傷に強い革にすることで、不注意によるひっかき傷を防ぐことができます。

ひっかき傷がつきやすいのはどんなレザー?

レザーといっても種類や仕上げによって、傷のつきやすさは大きく変わります。

特に、表面に加工をほとんど施していないナチュラル仕上げの革は、革本来の美しい風合いが楽しめる反面、爪や金具が触れただけでも跡が残りやすいです。

また、羊革やラムスキンのように柔らかい革は手触りが魅力ですが、繊細なため摩擦や引っかきに弱い傾向があります。

このように、美しさや柔らかさと傷への強さはトレードオフになりやすいため、製品を選ぶ際は用途を考えることが大切です。

実は革によって傷のつきやすさは違う!

革の種類によって、ひっかき傷への耐性には明確な違いがあります。

たとえば牛革は繊維が密で比較的丈夫ですが、表面がつるりとした仕上げだと細かい傷が目立ちやすくなります。

羊革は柔らかく高級感がある一方でデリケート。対して鹿革(ディアスキン)は繊維が細かくしなやかなため、外部からの衝撃を受け流しやすく、傷がついても目立ちにくい特性を持っています。

つまり、同じ「レザー製品」でも素材選びによって日常使いのしやすさが大きく変わるのです。

お気に入りのレザーアイテムを見つけて、長く愛用したいとお考えの方は、素材ごとの特性を理解することで、日常使いに合ったレザーを選びやすくなります。

ディアスキンの特徴やメリットについては、以下の記事をご覧ください。

ディアレザーはどんな素材?特徴やお手入れ方法をご紹介 

ひっかき傷が気になる方におすすめしたいDEER HORN SMITH’Sの鹿革製品

鹿革はひっかき傷が目立ちにくく、長く愛用いただける素材です。DEER HORN SMITH’Sでは、そんな鹿革を使用し、職人が魂を込めて製作したアイテムを取り扱っています。

今回はその中から、レザーウェア「NO COLLAR JACKET “DEER LEATHER”」を紹介します。

このジャケットは、天然エゾシカの革を贅沢に使用。一つ一つ職人が作ったこだわりの鹿角ボタンを施し、高級感あふれる大人なレザーウェアに仕上げました。

カジュアルさの中に、ワイルドさと力強さを兼ね備えたアイテムです。

商品の詳細はこちら

まとめ

レザー製品は日常的に使うほど小さなひっかき傷がつきやすい素材です。

しかし、正しい知識を持って、丁寧なお手入れを心がければ、美しい状態を長く保つことができます。

傷の原因は日常生活の中に潜んでいますが、浅い傷であれば自宅での簡単なケアで目立ちにくくなります。また、日常的にクリームやオイルで保湿したり、保管環境を工夫することでひっかき傷を防ぐことも可能です。

また、革の種類によって傷のつきやすさは大きく異なります。

柔らかいラムスキンやナチュラル仕上げの革はデリケートですが、鹿革のように傷が目立ちにくい素材も存在します。

用途やライフスタイルに合わせて素材を選ぶことが、長く愛用するための大切なポイントです。

お気に入りのレザー製品を「育てる」感覚で大切に扱い、自分だけの風合いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

傷が気になりにくく、長く愛用できる鹿革アイテムをお探しの方は、DEER HORN SMITH’Sの製品をぜひチェックしてみてください。

DEER HORN SMITH’Sの商品はこちら

コラム監修者

森井 英敏
森井 英敏代表取締役
GR COMPANY代表。「GOLD RUSH」「CALIFORNIA HARVEST」「バッファローアンドブリッジ」の計3店舗プロデュース。
北海道・十勝を拠点にカウボーイやインディアンの文化を発信し続けている。
鹿角シャンデリアを自ら組み込む製作者、職人としての一面も持ち合わせている。