

大切なレザー製品を水シミから守るには?予防と対処法を解説
お気に入りのレザー製品にうっかり水がかかってしまい、シミができてしまったという経験はありませんか?
革のバッグや財布、靴、小物類は、高級感や質感の良さが魅力です。
しかし、その一方で水分に弱く、正しく扱わないと見た目を損ねてしまう繊細な素材でもあります。
特に「水シミ」は一度できてしまうと元に戻すのが難しく、放置すると革そのものの質感や耐久性にも影響を与える可能性も否めません。
この記事では、レザーが水に弱い理由や万が一濡れてしまった際の応急処置、日常的にできる予防策について解説します。
あなたの大切なレザーアイテムを守るために、ぜひ最後までお読みください。
レザーは水に弱い?意外と知らないレザー素材の特徴
レザー製品は、上質な見た目と手になじむ感触から多くの人に愛される素材です。
しかし、水に弱いという特徴があることはあまり知られていないかもしれません。
天然素材であるがゆえに、濡れたままにしておくとシミや変形が起きたり、風合いを損ねてしまうリスクがあります。
ここでは、レザーの基本的な構造や水に弱い理由について解説します。
レザー素材とは?
「レザー」とは、牛・豚・羊・鹿などの動物の皮を加工してつくられた素材の総称です。
動物の皮をそのまま使用するのではなく、なめしという工程を経て腐敗を防ぎ、柔軟性や耐久性を高めたものがレザーとして流通しています。
一般的に「革」と言った場合はこの加工済みの状態を指すことが多いです。
なめしには大きく分けて「植物タンニンなめし」と「クロムなめし」の2種類があり、それぞれ手触りや風合い、水への耐性に違いがあります。
植物タンニンなめしは自然な風合いを楽しめる反面、水に弱くシミになりやすい傾向があります。
一方、クロムなめしは比較的水に強く、色落ちやシミが起こりにくい傾向です。
また、革の表面に施されるコーティングの有無や仕上げ方法によっても水への強さが変わります。
表面が加工されていない「素上げ革」や「ヌメ革」は、水が直接染み込みやすく非常にデリケートです。
このように、レザーは見た目や手触りだけでなく、素材の性質によって扱い方も大きく異なる素材だといえます。
レザーが水に弱い理由
レザーが水に弱いのは、素材の内部に含まれる繊維構造や油分が、水と反応して変化しやすいためです。
革は動物の皮膚を加工したものであり、繊維が層状に重なった構造をしています。
この繊維の間には適度な油分や空気が含まれており、これがレザー特有の柔らかさやしなやかさを生み出しています。
しかし、水が革に染み込むと、この繊維に含まれる油分が流れ出てしまい、乾燥したときに繊維が硬くなったり、縮んだりすることが多いです。また、水分が入り込んだ部分だけが変質することで、色ムラやシミが発生しやすくなります。
さらに、水に濡れた状態で急激に乾かすと、革が硬化したりひび割れたりする原因にも。ドライヤーや直射日光での乾燥は避けなければならないのも、こうした理由からです。
レザー製品に水シミができる原因

レザーは見た目に高級感があり、長く愛用できる素材として人気ですが、取り扱いを間違えると簡単に水シミができてしまいます。
シミの発生は、素材の特性だけでなく、日常生活に潜むちょっとした習慣や環境にも関係しているのです。
ここでは、レザー製品に水シミができやすくなる主な原因を具体的に見ていきましょう。
雨や雪に濡れたままの放置
よくある原因は、外出時に雨や雪でレザー製品が濡れ、そのまま放置してしまうケースです。
水分が革の内部に浸透すると、乾く過程で繊維が縮んだり油分が失われたりし、色ムラやシミが残ってしまいます。
特に、乾くまでの間に形が崩れたり、局所的に濡れた場合は、輪ジミのように目立つ跡が残ることも。
濡れた状態を長時間放置するのは、革にとって大きなダメージの原因になるということを覚えておきましょう。
手汗や湿気がたまりやすい環境
手で持つことが多い財布やクラッチバッグなどでは、手汗や湿気が水分の原因となります。
皮脂や水分がじわじわと革に染み込むと、目に見えないうちに部分的な色変化やシミができてしまうことも多いです。
特に気温や湿度が高い時期は、思っている以上にレザーが湿気の影響を受けやすくなります。
こうした小さな水分が蓄積して起こるシミは、気づいたときには元に戻せないことも多いため、日頃から注意が必要です。
間違ったお手入れによるもの
汚れを落とそうとして濡らした布でゴシゴシ拭いたり、全体を水で軽く濡らしてから乾かしたりといった誤ったお手入れ方法も、シミの原因になります。
革は水を吸いやすい素材です。意図的に濡らしたとしても水分の浸透にムラがあると、その部分だけが濃くなったり、波打つような形に跡が残ったりすることがあります。
クリーナーや保湿剤を使用する際も、水を含ませすぎないように注意が必要です。
レザー製品の水シミの対処法

レザー製品に水シミができてしまっても、すぐに正しい方法で対応すれば、目立たなくなる可能性があります。
ただし、やり方を間違えると逆にシミが悪化したり、革を傷めてしまうことも多いです。
ここでは、自宅でできる応急処置の方法と、やってはいけない注意点を紹介します。
正しいお手入れの方法
レザーに水シミができた場合、まず大切なのは「できるだけ早く対応すること」です。
水に濡れた部分を見つけたら、できるだけ早く柔らかく乾いた布で軽く押さえ、水分を吸い取りましょう。
このとき、こすらずに優しく抑えることがポイントです。
もし濡れた部分が広がってしまっていたり、輪ジミのように目立ってしまっている場合は、革の全体を薄く湿らせることで、境目をなじませるという方法もあります。
きれいな布を軽く水で湿らせて、全体を均一に整えるように拭き、そのあと自然に乾燥させると、シミが目立たなくなることがあります。
ただし、革をびしょ濡れにするのは逆効果になるため、水は少量にとどめましょう。
乾燥させる際は、直射日光やドライヤーの熱を避け、風通しの良い日陰で自然に乾かすようにしてください。
完全に乾いたあとは、レザー専用のクリームやオイルで保湿することで、失われた油分を補い、革のしなやかさを保つことができます。
やってはいけない注意点
焦って対処しようとした結果、間違った方法でかえってシミを悪化させてしまうこともあります。
特に気をつけたいのは、濡れた部分をこすって拭き取る行為です。
革の表面はデリケートで、摩擦によって色ムラや傷、ひび割れが起きる可能性があります。
また、ドライヤーやストーブなどで急速に乾かすのも避けてください。
高温で乾かすと革の繊維が縮み、硬くなってしまったり、表面に変形が起きたりすることがあります。乾燥は時間がかかっても自然に行うことが大切です。
さらに、家庭用の洗剤やアルコールなどの強い成分を含んだ液体を使って、汚れやシミを取ろうとするのもやめてください。
革の色や質感に悪影響を与え、修復が困難になることがあります。
お手入れの際には、必ず革用のクリーナーや保湿剤など、専用の製品を使うようにしましょう。
レザー製品に水シミをつくらないための予防策
レザーは一度水シミができると、完全に元通りにするのが難しい素材です。
だからこそ、日頃から予防を心がけるようにしましょう。
少しの手間で、大切な革製品の美しさを長く保つことができます。
ここでは、シミを未然に防ぐために取り入れたい習慣を紹介します。
防水スプレーを活用する
レザー用の防水スプレーを定期的に使うことで、水分や汚れをはじきやすくなります。
目立たない部分で試してから、全体に薄くムラなく吹きかけましょう。
使い始める前や、雨の季節に備えておくと安心です。
保管環境に気をつける
レザーは湿気を吸いやすいため、保管場所にも注意が必要です。
高温多湿の場所や、窓際など結露しやすい場所は避け、風通しの良い場所で保管しましょう。
使わないときは、通気性のある布袋に入れて保護するのがおすすめです。
こまめなお手入れを習慣にする
日常的にやわらかい布で表面のホコリや汚れを拭き取り、定期的に革用クリームで保湿することも、シミや劣化の予防につながります。
革の状態をチェックするきっかけにもなり、トラブルの早期発見にも役立つでしょう。
レザーのお手入れ方法について、詳しくは以下の記事をお読みください。
レザーの手入れ方法を徹底解説!鹿革製品を長く美しく使うために
水に強いレザー素材はある?

一般的にレザーは水に弱い素材とされていますが、すべての革が同じ性質を持っているわけではありません。
実は、革の種類によっては比較的水に強いものも存在します。
その代表的な素材のひとつが、鹿革(ディアスキン)です。
鹿革は、繊維の密度が高く、かつしなやかで柔らかい特性を持っています。
その構造上、他の一般的な革と比べて水分を吸収しにくく、濡れても硬くなりにくいというメリットがあります。
さらに、乾いた後も形が崩れにくいのも特徴です。
実際、アウトドア用品や武具、手袋などに古くから用いられてきたのは、こうした耐久性と柔軟性に優れているためといえます。
とはいえ、「完全防水」というわけではないため、鹿革でも濡れたまま放置すればシミや変質の原因になることがあります。
ただ、日常使いの中で急な雨や水滴がついても、大きなトラブルになりにくい素材として、非常に扱いやすい革といえるでしょう。
DEER HORN SMITH’S・ディアレザーのこだわりアイテムをご紹介
DEER HORN SMITH’Sでは、水に強いディアレザーの商品を多数取り扱っております。
今回ご紹介するのは、『梟唄OWLSONG/DEER LEATHER MEDICINE BAG “Natural”』です。

ネイティブアメリカンの雰囲気を醸すハンドメイドのこだわりアイテム。
デザイナーの情熱あふれる、至極の逸品です。
すべてハンドメイドで製作しており、繊細な刺繍は伝統的なレイジーステッチによって施されています。
こだわりと魂を注ぎ込んだアイテムを、ぜひ大切な一品としてお迎えしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
レザー製品は、上品な質感や経年変化を楽しめる魅力的な素材ですが、水分には非常に繊細です。
水シミができてしまうと、見た目だけでなく革の耐久性にも悪影響を及ぼすことがあります。
レザーが水に弱い理由や、濡れてしまったときの正しい対処法、そして日常的にできる予防策を知っておくことで、革製品をより長く美しく使い続けることができるでしょう。
特に、こすらない・急激に乾かさないといった基本的なケアのポイントを守ることが重要です。
大切なレザーアイテムを長く愛用するためにも、素材の特徴を理解し、日々のケアと予防を心がけましょう。
また、水シミが心配な方には、比較的水に強いとされる鹿革の製品を選ぶのもひとつの方法です。鹿革はしなやかで扱いやすく、日常使いに適した革素材として人気があります。
当店では、牛革・鹿革アイテムを数多く取り揃えております。
ぜひ一度、当店こだわりのアイテムをご覧ください。