

レザーのシワ、どう伸ばす?原因やシワ伸ばしの方法・注意点を解説!
「お気に入りのレザーアイテムに、いつの間にかシワが入ってしまった!」という経験はありませんか?
レザー製品は長く愛用できる素材ですが、取り扱い方によっては思わぬシワやヨレができてしまうこともあります。特に、正しい方法を知らずに自己流でケアをしてしまい、かえって革を傷めてしまうケースも多いです。
この記事では、レザー製品にシワができる原因やシワ伸ばしの方法、シワの予防策について解説します。革製品を長く美しく使いたいという方はぜひ最後までお読みください。
レザー製品にシワができる原因
レザー製品は長く使える丈夫な素材ですが、正しい知識がないまま扱うと、知らないうちにダメージを蓄積してシワができてしまうこともあります。
ここでは、レザーにシワが生まれる主な原因をみていきましょう。
素材が硬い
革そのものの硬さは、シワの出やすさに大きく影響します。
特に厚手で繊維が密なフルグレインレザー(表面を削っていない天然革)や、タンニンなめしで仕上げられた革などは、柔軟性が少ない分、曲げたり折れたりした際にシワが残りやすくなります。
また、新品時に革が硬いまま使い始めると、体や持ち物の形に沿って無理な力がかかり、定着したようなシワができてしまうことも。レザー素材ごとの柔らかさを理解し、使い始めにしっかりと馴染ませることが大切です。
革に栄養が不足している
レザーは動物の皮膚から作られた天然素材であるため、人間の肌と同じように適度な油分と水分を必要とします。
ところが、長期間クリームやオイルなどのケアをしていないと、革の表面が乾燥し、柔軟性を失って硬くなってしまうのです。
このように乾燥した状態の革は、ちょっとした曲げや動きにも耐えられず、細かなシワが刻まれやすくなります。
また、一度乾燥で硬化した革はシワが戻りにくくなるため、定期的に保湿ケアを行い、革に栄養を与えるようにしましょう。
水濡れや湿気
水分や湿気はレザー製品にとって大敵です。
レザーが濡れると一時的に繊維がゆるみますが、その状態で乾燥させると縮んだり、表面が波打ったりしてシワが定着することがあります。
また、高温多湿な場所に長期間保管すると、カビが発生するリスクだけでなく、革の内側の構造にムラができてしまい、形の変化や折れジワが生じやすくなります。
湿気対策として、風通しのよい場所に吊るして保管したり、除湿剤を使ったりなどの工夫も重要です。
シワとエイジングの違い

レザー製品は、使い込むことで風合いが増す「経年変化(エイジング)」が魅力のひとつです。
ただし、すべての変化が味として歓迎されるわけではありません。
シワとエイジングは混同されがちですが、両者にははっきりとした違いがあります。
エイジングとは、革が日光や空気、手の油などに触れることで色味が深まり、光沢が増していく自然な変化のことを指します。これは革本来の魅力を引き出す自然な変化であり、使い方によって個性が表れるため、レザー愛好家にとって価値のあるものとされています。
一方でシワは、革が過剰に折れ曲がったり、負荷が一点に集中したりすることで生じる物理的な変形です。革の構造にダメージが加わった状態であり、放置するとヒビ割れの原因になることもあります。
つまり、エイジングは革を育てる過程で起こる自然な変化、シワは適切でない使用や保管によって起こる劣化の兆候です。
シワを味わい深い表情ととらえる場合もありますが、それは革の状態が整っていて、機能や美しさを損なわない場合に限られます。
革製品を長く美しく保つためには、シワとエイジングの違いを理解し、必要に応じてケアや修復を行うことが大切です。
レザーのシワを伸ばす方法
できてしまったシワも、革の状態や程度によっては目立たなくしたり、ある程度まで回復させたりすることが可能です。
ただし、無理に引っ張ったり高温で熱したりすると、革を傷めてしまう恐れもあります。
ここでは、自宅でも比較的安全に行えるレザーのシワ伸ばし方法を、5つ紹介します。
1.レザークリームやオイルを使う
最も基本的な方法は、レザークリームやオイルで保湿しながらシワを伸ばすことです。乾燥して硬くなった革に油分を与えることで、柔軟性が戻り、細かいシワであれば自然と目立たなくなるケースもあります。
ポイントは、柔らかい布にクリームやオイルを少量とり、円を描くように優しく塗り込むこと。塗った後は数時間ほど放置して革になじませましょう。
保湿ケアはシワの修復だけでなく、ひび割れの予防にもつながるため、定期的に行うことをおすすめします。
2.吊るして自然にシワを伸ばす
軽度のシワや折れジワであれば、吊るすだけでもある程度改善されることがあります。
たとえばレザージャケットなら、肩の形に合った厚みのあるハンガーを使って吊るしましょう。
このとき、風通しがよく湿気の少ない場所を選ぶことが重要です。
直射日光が当たる場所や、エアコンの風が直接あたる環境は避けてください。
数日かけてじっくりとシワを伸ばすことで、革に余計な負担をかけず、型崩れも防げます。
3.重しを使って形を整える
平らな革小物やバッグなどには、重しを使うのも効果的です。
シワが寄っている部分にあて布をのせ、その上に雑誌や平たい本などを置いて軽く圧をかけることで、革を元の形にゆっくり戻すことができます。
ただし、強い力を一気にかけるのは禁物です。
均一に重みがかかるように広い面でゆっくりと圧をかけ、半日から1日ほど様子を見ながら行ってください。レザーの種類によっては跡が残る可能性もあるため、必ず目立たない場所で試してから行いましょう。
4.ドライヤーを当てる
乾燥による軽いシワであれば、ドライヤーの温風を活用する方法もあります。
ただし、熱を直接あてすぎると革が硬化したり、色が変化したりする可能性があるため、慎重に行いましょう。
使用する際は、ドライヤーを20〜30cm程度離し、弱風・低温設定にします。
あて布をかけた状態で温風を当て、柔らかくなったタイミングでシワを軽く伸ばすのがコツです。
仕上げにレザークリームで保湿しておくと、柔らかさを保てます。
5.アイロンを利用する
注意点も多いですが、アイロンを使ってシワを伸ばす方法もあります。
ただし、革は熱に弱い素材のため、誤った方法で行うと深刻なダメージを与えてしまうことも。失敗のリスクがあるため、慎重に行う必要があります。
アイロンを使う場合は、必ず中温以下に設定し、革に直接当てないよう厚手のあて布をしっかりのせましょう。その上からアイロンを優しく押し当て、滑らせずに数秒ずつ温めます。
蒸気機能は使わず、仕上げに保湿ケアを忘れずに行ってください。また、高級品やデリケートな革にはおすすめしません。
レザーのシワを防ぐには?

レザーのシワは、一度できてしまうと完全に元に戻すのが難しい場合もあります。
そのため、革製品を長く美しく使うには、シワができる前に予防することが重要です。
ここでは、日常生活の中で意識したい、レザーのシワ防止のポイントを紹介します。
正しい保管方法を心がける
レザー製品は、元の形を保ったまま保管することが大切です。
ジャケットであれば、肩にフィットする厚手のハンガーを使用し、パンツやスカートは折りジワができないよう吊るす収納がよいでしょう。
バッグの場合も、中に紙や布などの詰め物を入れて形を整えておくと型崩れしにくくなります。
収納場所は、直射日光の当たらない、風通しの良い場所が理想的です。
長期間しまう場合は、不織布など通気性のあるカバーで包むと、ホコリや乾燥から革を守ることができます。
定期的に保湿ケアをする
革の乾燥はシワの大きな原因です。
そのため、月に1〜2回を目安に、レザークリームやオイルでの保湿ケアを行いましょう。特に冬場やエアコンの効いた乾燥しやすい環境では、革の水分が失われやすいため、こまめなケアが必要です。
ただし、つけすぎは逆効果になることもあるため、少量を薄くのばして使うのがポイントです。
レザーの種類によって適したケア用品が異なるので、製品に合ったものを選びましょう。
水や湿気を避ける
レザーは水分に弱く、濡れた状態で放置するとシワやシミの原因になります。
雨に濡れた場合は、乾いた柔らかい布で軽くたたくようにして水分を取り除き、風通しの良い日陰で自然乾燥させましょう。
また、湿気の多い場所に保管すると、革の繊維が緩んで形が崩れやすくなります。
湿度が高い時期には、クローゼットや収納箱に除湿剤を入れておくと安心です。
無理な折りたたみや圧縮を避ける
旅行時や荷物整理の際、レザー製品を無理に折りたたんだり、他の荷物で押しつぶしたりすると、深いシワがついてしまいます。
衣類であれば丸める、バッグであれば中身を軽くする、靴であればシューキーパーを入れるなど、形を維持するための工夫が必要です。
まとめ

今回は、レザー製品にシワができる原因や対処法、日頃からできる予防策について解説しました。
特に細かなシワは、乾燥や湿気、保管方法など、日々のちょっとした習慣で防げることも多くあります。
大切な革製品を長く美しく保つために、「定期的な保湿」「丁寧な取り扱い」「正しい保管環境」を意識してみましょう。
さまざまな種類があるレザーの中でも鹿革(ディアスキン)は、柔らかくしなやかで、比較的シワができにくく、できた場合でも元に戻りやすいという特長があります。軽くて扱いやすい素材のため、革初心者の方にもおすすめの素材です。
当社のオンラインショップでは、鹿革や牛革を使った上質なアイテムを厳選。
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